原材料価格の高騰などから、飲食チェーンなどで値上げの動きが相次いでいる中、サイゼリヤ <7581> の松谷秀治社長は10月12日の会見で、「今期の方針は値上げをしないということ」と述べ、値上げしない方針を明らかにしたそうです。

安価なイタリア料理店として親しまれている同社ですが、こんなご時世の中で値上げしないという方針に驚いた人も多いはずです。サイゼリヤはどんな会社なのでしょうか？

サイゼリヤはどんな会社？優待は？

サイゼリヤは埼玉県吉川市に本社を構え、従業員は2000人を超える、旧東証1部、現在は東証プライムに上場する企業です。

株主優待の対象は100株以上持っている株主で、保有株式数により優待内容が変わります。100株以上500株未満が2000円の食事券（500円券が4枚）、500株以上1000株未満が1万円分（同20枚）、1000株以上なら2万円分（どう40枚）となっています。

また、継続保有が条件で異なり、2021年8月末日と2022年8月末までの任意の日に株主保有の確認を行っています。

サイゼリヤの会社情報はこちら＞＞
https://money.smt.docomo.ne.jp/company-detail/7581.html

社員の給与水準は？

低価格を売りの一つにしている同社ですが、従業員の給料はどれくらいなのでしょうか。

2021年の平均給与（年収）は約551万円でした（有価証券報告書による）。数年分さかのぼってみると、2020年が約589万円、2019年が628万円、2018年が623万円だったので、ここ数年で大きく下がっているようです。

ただ2014〜15年ごろは600万円を切っていたうえ、2014年は561万円だったので、右肩下がりというわけではなさそうです。

ロシア軍のウクライナ侵攻、コロナ禍と経済回復による流通の変化、さらには円安など、同社にはうれしくない状況が続いています。

こうした中で値上げしない方針を明らかにしたわけですが、松谷社長は会見の冒頭、「一番に言わなければいけないのは、値上げをしないということだ」と切り出したそうです（朝日新聞）。また「給料が物価に追いついていない。安くておいしいモノを出す使命がある」とも述べたといいます。

海外店舗では、円安による増益効果が見込めるとしたそうですが、同社は原材料の多くを輸入しており、「円安が1円進むと月あたり1000万円ほど経費が増える計算」ともいいます。

会見が行われた12日は円安が一段と進み、1ドル146円台まで値下がりし、約24年ぶりの水準となるなど、状況は厳しくなっています。安くておいしいサイゼリヤが値上げしない方針をいつまでも堅持できるように──。ファンは期待しながら店舗に通うことでしょう。

文/編集・dメニューマネー編集部

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