10月から企業型DCに入っている会社員もイデコに入れるようになりましたが、DCに入っているすべての人がiDeCoにも入ったほうがいいわけではありません。企業型DCのある会社の社員で、iDeCoに加入したしたほうがいいのはどのような人でしょうか。
企業型DCがあれば無理にiDeCoに加入する必要はない
通常、企業型DC(確定拠出年金)のある会社の社員は、iDeCo(個人型確定拠出年金)に加入する必要はありません。
なぜなら、iDeCoに加入すると掛金以外の諸費用を自己負担しなければなりませんが、企業型DCでは運営費などの諸費用も会社負担だからです。
社員が掛金を負担するマッチング拠出(導入企業のみ利用可)であっても諸費用は会社持ちです。
会社のDCと個人のiDeCoは別口座なので、それぞれの管理も必要になります。もし、個人のお金で掛金を支払うなら、同じ口座で管理できるマッチング拠出のほうが有利です(マッチング拠出とiDeCoはどちらかしか選択できません)。
iDeCoに入ったほうがいいのはこんな人
しかし、企業型DCのある会社の社員でもiDeCoに入ったほうがいい人もいます。
1 会社の掛金が少ないので老後資金を積み増したい人
企業年金のない会社の社員のiDeCoの掛金上限は毎月2万3,000円です。一方、今までは企業型DCのある会社の社員は、実質的にiDeCoに加入できませんでした。そのため、会社の負担する掛金が少ない場合にiDeCoでカバーしたくてもできなかったのです。
企業型DCは会社が掛金を支払ってくれるありがたい制度ですが、掛金がわずかなケースも少なくありません。2020年の掛金の平均は掛金上限が5万5,000円の会社で8,216円です。
老後資金の積み増しを考えるなら、これからは自分でiDeCoに入ることも選択できます。
会社にマッチング拠出が導入されていても、マッチング拠出とiDeCoの上限額のルールの違いからiDeCoのほうが掛金を多くできる場合があります。
たとえば、掛金上限が5万5,000円の会社で事業主掛金が1万円の場合、マッチング拠出の掛金上限は1万円ですが、iDeCoなら2万円です。
このようなケースではiDeCoに入るとより多くの老後資金が準備できます。
2 企業型DCの運用商品のラインアップに不満がある人
iDeCoの金融機関は自分で選べますが、企業型DCでは選べません。そのため、運用商品の種類が少なくて自分の思うような運用ができない人は、マッチング拠出があったとしてもiDeCoに入ったほうがいいでしょう。
3 企業型DCのある会社に転職したiDeCo加入者
もともと自分でiDeCoに入っていた人が企業型DCのある会社に転職する場合、以前はiDeCoを企業型DCに移換する必要がありましたが、今はiDeCoを企業型DCに移換することもできますが、iDeCoを続けることも可能です。
移換する場合、年金資産が一旦現金化され、企業型DCで運用商品を買い直すことになります。できればiDeCoのまま続けたほうが運用面では有利です。
文・松田聡子(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部
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