家族がお金を使い込んだ!離婚や取り返せる?

2022/10/17 07:00

夫や妻に浪費癖があってお金を使い込んでも、離婚できたり慰謝料を払ってもらえたりするとは限りません。高齢の親の生活費を管理している家族がお金を使い込んでも、取り返せない場合があります。家族のせいで生活資金や将来の相続財産が減っても、何もできないのでしょうか。 「浪費癖がある」だけなら裁判で離婚理由にならない 配偶者に浪費

夫や妻に浪費癖があってお金を使い込んでも、離婚できたり慰謝料を払ってもらえたりするとは限りません。高齢の親の生活費を管理している家族がお金を使い込んでも、取り返せない場合があります。家族のせいで生活資金や将来の相続財産が減っても、何もできないのでしょうか。

「浪費癖がある」だけなら裁判で離婚理由にならない

配偶者に浪費癖があり、一緒に生活することが難しく離婚したい場合、相手が離婚に同意しなければ裁判で決めますが、離婚理由は法律で決まっています。単に浪費癖があるだけなら、離婚理由になりません。裁判で離婚が認められるのは浮気など、一定の場合に限られます。

浪費癖が理由で離婚したいなら、「婚姻を継続し難い重大な事由」があるかどうかがポイントになります。金遣いが荒いなど、金銭感覚の違い程度なら離婚はできないでしょう。

一方で、生活費に手をつけて夫婦生活を破綻させたなら、裁判所が離婚を認める可能性があります。

離婚する際、慰謝料を請求すれば相手が使い込んだ分を取り返せますが、ギャンブルなどで借金があるなら、そもそも支払能力がないでしょう。個人的な借金は財産分与の対象外なので、離婚時に相手の借金を負う心配はないものの、相手が慰謝料を払えない場合があります。

親族による横領は刑罰が免除される

子が親の預金を使い込めば横領罪になる可能性がありますが、親族間の犯罪には特例があり、横領罪が成立しても刑は免除されます。つまり、兄弟姉妹が親の預金を使い込んでも、刑罰は科されないのです。

ただし、使い込みによって自分が相続する遺産が減ったなら、損害賠償を請求することは考えられます。請求するなら、使い込まれた金額がいくらなのかがわかる資料が必要です。

また、仮に預金が引き出されていた場合でも、親から頼まれて引き出したのか、勝手に引き出して使ったのか、後で立証するのは簡単ではありません。専門家に依頼すると費用はかかりますが、親族間でのお金のトラブルは弁護士に相談するほうがよいでしょう。

文・大垣秀介(マネーライター)
編集・dメニューマネー編集部

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