【お金の心理学】投資とギャンブルはどう違うのか?

2021/12/26 14:00

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連載「お金の心理学」第4回 投資はギャンブルと同じ? 「投資なんてギャンブルみたいなものでしょ?」──。そう考えて投資が気になりつつ、始めるのをためらっている人もいるでしょう。たしかに投資では、お金が増えることも減ることもあります。しかし、投資とギャンブルはイコールではありません。 投資とギャンブルの明確な違い――プラ

連載「お金の心理学」第4回 投資はギャンブルと同じ?

「投資なんてギャンブルみたいなものでしょ?」──。そう考えて投資が気になりつつ、始めるのをためらっている人もいるでしょう。たしかに投資では、お金が増えることも減ることもあります。しかし、投資とギャンブルはイコールではありません。

投資とギャンブルの明確な違い――プラスサムとマイナスサム

まず、投資とギャンブルの違いを確認しておきましょう。

ギャンブルの特徴

3人でトランプゲームのポーカーをしていると想像してください。

Aさん、Bさん、Cさんの3人が1万円ずつ賭けましたが、最終的に取り分は、Aさんが2万円、Bさんが1万円、Cさんが0円でした。

名前 賭けたお金 取り分 差し引き
Aさん 1万円 2万円 +1万円
Bさん 1万円 1万 ±0
Cさん 1万円 0円 −1万円


Aさんは1万円勝ち、Bさんは変わらず、Cさんは1万円のマイナスですが、ここで動いた「金額の合計」は変わりません。持ち主が変わるだけで、合計額は3万円だからです。このような場合を、ゲーム理論では「ゼロサムゲーム」といいます。

(ちなみにゲーム理論とは、テレビゲームやカードゲームなど、いわゆる「ゲーム」に限らず、あらゆる場面でヒトがどういう判断をするか、その状況を数学的なモデルを用いて研究する学問のことです)

上のポーカーの例と、パチンコ店やカジノなど多くのギャンブルで異なるのは、主催者である胴元がいる点です。そして、胴元は負けません。

たとえばさきほどポーカーをした3人が1万円持ってパチンコに行ったとして、もしかしたら誰かが勝つかもしれないし、みんな負けるかもしれません。3万円が30万円になるかもしれないし、ゼロになる可能性もあります。

しかし、これを3人の収支ではなく、パチンコ店に行った客全員の収支で見ると、絶対に損をしている人が出るということです。なぜなら、そうでないとパチンコ店は倒産してしまうからです。

ポーカーの「ゼロサムゲーム」に対し、パチンコのような場合を「マイナスサムゲーム」といいます。

投資の場合

一方、投資の場合をみてみましょう。

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Aさん、Bさん、Cさんが1万円である会社の株式を購入したあと、その会社が成長し、株価が2倍になったとします。その場合、Aさん、Bさん、Cさんの資産残高はそれぞれ2万円、合計6万円になります。

投資を始める前の合計額である3万円より、株価が上がったあとの合計額が高くなるのです。このようなケースを、ゲーム理論では「プラスサムゲーム」といいます。

もちろん、株式投資では企業が倒産してゼロになる場合もあり得ますが、プラスサムゲームの投資では、全員が得をすることもまたあり得るのです。

この点、誰かが得をするということは、誰かの損を意味するマイナスサムゲームのギャンブルとは異なります。

投資にもリスクはあるが、コントロールできる

投資にも、たしかにリスクは存在します。企業が倒産したり、国が財政破たんしたりするリスクも、ゼロではありません。

しかし投資のリスクはある程度コントロールできます。株を買う企業を複数にしたり、まとめて買わずに少しずつ買ったり、リスク分散の方法はたくさんあります。

それに、投資は社会をよりよくすることにつながります。投資という仕組みがあるからこそ、企業は資金を集めて成長できます。投資家はその見返りとして、株価の上昇、配当金といったリターンを得られるのです。

投資とギャンブルをなんとなく同じものと考えているようでしたら、投資を始める前にまず別モノであるということを認識していただきたいと思います。

文・木崎 涼(ファイナンシャル・プランナー)
編集・濱田 優(dメニューマネー編集長)

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