不動産投資でいくらまで借りられるのか──銀行が見ている3つのポイント

2021/12/23 12:45

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連載「不動産投資・初心者が知っておくべきこと」第5回 不動産投資では資金を金融機関から借りますが、いくらまで貸すか決めるのは金融機関で、借りる側の投資家は、さまざまな条件をクリアする必要があります。   不動産投資ローンの融資条件 3つのポイント マイホームは「住宅ローン」で購入するのに対し、投資用物件は「不動産投資ロ

連載「不動産投資・初心者が知っておくべきこと」第5回

不動産投資では資金を金融機関から借りますが、いくらまで貸すか決めるのは金融機関で、借りる側の投資家は、さまざまな条件をクリアする必要があります。  

不動産投資ローンの融資条件 3つのポイント

マイホームは「住宅ローン」で購入するのに対し、投資用物件は「不動産投資ローン」(アパートローン)で購入します。不動産投資ローンは、住宅ローンより一般的に金利は高く、融資審査は厳しくなると言われています。

ある大手のメガバンクは不動産投資ローンの利用資格について、「満20歳以上の安定した収入がある方で、前年度税込年収200万円以上」と説明しています。記述があいまいですが、一般に、金融機関が不動産投資ローンの融資審査で特に見るのは次の3点といわれています。

1 借り手の信用力(属性)
2 物件の収益性
3 物件の資産価値

1 借り手の信用力

銀行は借り手が信用できる人物かどうかを判断する場合、「収入額と金融資産」「勤務先」「信用情報」(個人のクレジットカードやローンの実績)、「連帯保証人の有無」をみています。これらは借り手の「属性」というような呼び方もされます。

まず「収入」です。先ほどのメガバンクの場合は「年収200万円以上」でしたが、店舗もATMも持たず、不動産投資を得意とする銀行は「年収500万円以上」と明記しています。500万円は、一つの目安と考えて良さそうです。ただ必ずしも年収500万円超でないと不動産投資ができないというわけではありません。

「勤務先」は返済の安定性の判断材料です。雇用と給与の安定性が重視されるため、大企業に勤める会社員や身分保障がされている公務員が強いとされています。このほか医師、弁護士、公認会計士など士業も高く評価される傾向にあります。

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また、「信用情報」も重要です。過去にクレジットカードや携帯電話料金の支払いで滞納を重ねていないか、多額の借金を抱えていないかが確認されています。なお、個人の信用力とは別に、「連帯保証人」になれる人がいると、融資のハードルは一気に下がります。

2 物件の収益性

銀行は「物件の収益性」も重視しています。お金を生まない物件ではローンの支払いが続かないからです。不動産投資の最大のリスクは空室なので、立地の良い人気の高い間取りの物件を安く購入する必要があります。

3 物件の資産価値

ローンの返済が不可能だと判断されると、金融機関は物件を競売にかけて現金を回収します。そのときに高く売れる、資産価値が高い物件ほど、融資はしやすくなります。担保価値は物件のロケーション、種類、利回り、管理状態、物件価格に占める地代などで評価されています。

マイホームなら年収の5~7倍が目安だが……

マイホームを買うための住宅ローンでは、借入できる額はほぼ年収で決まります。返済原資がたいてい給与だけだからです。収入に対する返済率は25~30%、年収の5~7倍が無理がないとされます。

これに対して、不動産投資ローンの場合は「年収の5~7倍」にとどまらず、「10倍」になることもあります。というのも、返済原資が投資家の給与収入ではなく、家賃収入のため、「物件によっては安定して返せるが、そうでない物件もある」からです。銀行は物件の収益力をさまざまな要因から試算して融資額を決めます。

自分自身のアピールもしっかり

好条件で不動産投資ローンを組むためには、借り手の「信用力」と物件の「収益性と資産価値」が大切ですが、金融機関の担当者の印象も大切です。地道に資金を積み上げてきたこと、不動産投資の勉強をしていること、しっかりとした計画があることなどをアピールするとよいでしょう。

文・株式会社フロア
編集・dメニューマネー編集部
(2021年5月27日公開記事)


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