老後の生活の要となる年金だが、ある制度を使うと受給額を増やせる。ただし、この制度を使うためには、支給要件を満たす必要がある。どんな要件を満たせば、年金を多くもらえるのだろうか。また、定年後も働こうと考えている人は、次の3つの給付金を申請すれば生活に余裕が出るかもしれない。どんな給付金があるのか見てみよう。
年金を多くもらうために確認したい支給要件
公的年金が減少傾向にある今、自分自身の老後や親の老後を考えたとき、年金だけで生活できるか不安に思う人は多いはず。年金が上乗せされる制度の活用も検討してみてほしい。
「年金生活者支援給付金」で年金が上乗せされる
「年金生活者支援給付金」とは、公的年金やその他の所得の合計額が一定以下だと、上乗せして年金がもらえる制度だ。消費税引き上げにともない2019年10月から始まった。
給付額は月額いくら?
上乗せされる給付額は、月額5,030円を基準に、保険料納付済期間や保険料免除期間を加味して計算される。
具体的には、次のA、Bの合計額となる。
A:5,030円×保険料納付済期間/被保険者月数480月
B:10,845円×保険料免除期間/被保険者月数480月
免除期間がなく、保険料納付済期間が480月なら、5,030円が支給。免除期間がなく、保険料納付済期間が480月より少なければ、月数に応じて5,030円から減額される。
3つの支給要件を満たすことが条件
「年金生活者支援給付金」を受け取れるのは、次の3つの要件を満たす人だ。
1.65歳以上の老齢基礎年金の受給者。
2.同一世帯の全員が市町村民税非課税。
3.前年の公的年金等の収入金額とその他の所得との合計額が88万1,200円以下(77万9,900円超87万9,900円以下なら、補足的老齢年金生活者支援給付金の対象)。
支給要件を確認した上で、「年金生活者支援給付金」の活用を検討してみてほしい。
定年後も働きたいなら知っておきたい給付金
生涯現役と言われるようになった昨今、賃金が低下しても定年後も働こうと考えている人は多いようだ。老後も働く人がもらえる給付金には次のようなものがある。
高年齢雇用継続基本給付金
定年後も同じ会社で働くが、60歳以後の賃金が60歳時点と比べて75%未満に下がった場合にもらえる給付金だ。
給付金の額は賃金の低下率によって決まり、最大で支給対象月の賃金に対して15%相当。60歳以上65歳未満の人が対象となる。
再就職手当
定年後に基本手当をもらっていたが、所定給付日数の3分の1以上を残して再就職した人がもらえる。ただし、高年齢再就職給付金とどちらかを選ばなければならない。
高年齢求職者給付金
65歳以上で失業状態にある場合は高年齢求職者給付金の対象になる。基本手当と同様に7日間(自己都合退職の場合はさらに2ヵ月)の待機期間がある。雇用保険の被保険者期間によって最大50日分受給できる。
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定年後も働きたいなら、絶対に知っておきたい6つの給付金とは?
文/編集・dメニューマネー編集部
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