生活雑貨店の「無印良品」を展開する良品計画 <7453> の株価が7月10日、制限値幅の上限(ストップ高)値の1672.5円まで買われた。上昇率はなんと1日で21.9%だ。7月25日には1838円と2021年12月以来、約1年7ヵ月ぶりの高値をつけた。コロナ禍で冴えない株価が続いていた良品計画の株価は復活するのか?
コロナ禍で赤字転落 株価は4分の1に
良品計画 <7453> の株価が過去最高値をつけたのは、2018年6月である。当時は中国での売上が急拡大し、2018年2月期には海外の「MUJI」店舗数が国内の「無印良品」の店舗数を初めて上回った。
中国での売上増がドライバーとなり、2018年2月期の営業利益は過去最高の452億円に達した。その当時の株価が過去最高値の4120円だ。
しかし中国比率が高かっただけに、新型コロナウイルス感染症によるロックダウンを理由とした落ち込みも厳しかった。四半期ベースの2020年3〜5月期には営業利益は、創業来初となる28億円の赤字へ転落。2020年8月期には、通年でも169億円の最終赤字となった。
株価は2020年3月に969円まで下げ、高値から4分の1以下に沈んだ。
ストップ高のきっかけは中国事業の復活
株価上昇のきっかけは、良品計画が7月7日に発表した2023年8月期第3四半期(3〜5月)の好調な決算内容だ。営業収益が18%増の4357億円ながら、営業利益は9%減の226億円だった。第3四半期まで累計の業績だけをみたらストップ高になるとは思えないだろう。
市場が高評価をしたのは、第3四半期の3ヵ月間単独の業績である。営業収益は前年度比21%増の1524億円、営業利益は同2.1倍の124億円だった。経常利益は69%増の135億円と四半期としては過去最高を記録した。
国内は営業収益9%増の938億円、営業利益は15%増の120億円。2021年8月期第4四半期以来の増益に転換した。海外は中国を中心に営業収益が47%増の585億円、営業利益は2.7倍の101億円とゼロコロナ政策の反動で大幅増収益となった。
新規出店を積極策に転換
コロナ禍で守りに入っていたが、積極出店に方針転換。2023年5月末の店舗数は、2月末比100店増で1172店舗となった。国内は、食品スーパーマーケットとの協業のもと生活圏への出店を進め、62店舗増の555店舗。海外は、中国大陸、台湾、香港、タイ、ベトナムにて出店を進め、38店舗増の617店舗に上る。
2022年5月からローソンへ「無印良品」の本格導入を開始した。2023年2月には全国36都道府県の約9600店舗に導入された。23年4月からは47都道府県へ展開が拡大した。
無印良品の反撃の号砲がストップ高だったのかもしれない。
文/編集・dメニューマネー編集部
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