奨学金が返せないと、支払督促が来たり訴訟になったりする。それでも払えない場合は、最終的に自己破産することとなるが、そうなる前に何かできる対策はないのだろうか。また、奨学金を親が代わりに返すと、多額の贈与税を取られる場合があるので注意したい。
「奨学金」を返せないとどうなる?返せないときにすべき対処法
大学進学時に利用する人も多い奨学金制度だが、返済が滞り督促や訴訟になるケースも……。奨学金の返済にまつわる実態と、返済できないときの対処法を見てみよう。
奨学金がどうしても返せないとどうなる?
奨学金も「借金」であり、返済の義務がある。返済できなければ、最終的には自己破産することになるだろう。
自己破産すると、本人の返済義務は免除されるが、保証人・連帯保証人が本人に代わって返済しなければならない。場合によっては、保証人・連帯保証人も自己破産せざるを得なくなる。
また、自己破産する場合、生活必需品を除き車や家などの財産を処分しなければならない。
信用情報機関に自己破産したことが記録され、10年間はクレジットカードの作成や住宅ローンの借り入れに支障が出る可能性もある。自己破産したことは官報に公告されるため、周囲に自己破産を知られるリスクも否めない。
日本学生支援機構によると、2016年度の自己破産の件数は2,009件、割合は0.05%だった。
日本全体の自己破産の割合0.06%と同程度とはいえ、実際に奨学金で自己破産する人が存在するのも事実だ。
奨学金が返せない場合にできる対処法
災害や傷病、その他経済的理由で返済が困難になったときは、返済額の減額を申請できる。
減額分は、返還期間を延長して返済することになる。
減額によって、無理なく返済を継続できる可能性が高まるだろう。
さらに、災害や傷病、失業、経済的な困難などの事情が生じた場合、返還期限の猶予を申請できる。延滞する前に速やかに申請手続きをしよう。
子供の借金を代わりに返すと税金の対象になる?
親子や身内だからといって奨学金の返済を肩代わりすると、最大55%の贈与税がかかることがある。お互いに贈与と思っていなくても税金がかかるNG行動を知り、税務署から多額の税金を求められて慌てることがないようにしたい。
奨学金の返済を肩代わりする
親が奨学金など子供名義の借金を肩代わりしたり、子供の税金を代わりに払ったりすると、贈与税がかかるおそれがある。
退職金が入ったときや、子供が結婚するときなどに、奨学金を一括返済できるよう援助したいと思う親もいるだろう。
しかし、返済が目的でも、お金を贈与したことには変わりない。贈与税の非課税枠110万円を超えると贈与税がかかる可能性が高いので、気をつけたい。
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親がやりがちなお金の失敗 子供の借金を代わりに返すと税金の対象になる?
文/編集・dメニューマネー編集部
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