結婚・出産に備えたい

指原莉乃さんが「結婚する相手には財産分与を放棄させる」と言う理由

2022/02/12 16:45

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連載 お金で買えないものはない?「恋愛×マネー」研究 第16回 本連載では、恋愛におけるさまざまなシーンを題材にし、マネー・お金を軸にした見方・考え方を検証。物心両面で満ち足りた、自分の理想の暮らしを手にするための戦略を考察していきます。 前回(第15回)は、「恋人の経済力を推測する方法」について考えてきました。今回(

連載 お金で買えないものはない?「恋愛×マネー」研究 第16回

本連載では、恋愛におけるさまざまなシーンを題材にし、マネー・お金を軸にした見方・考え方を検証。物心両面で満ち足りた、自分の理想の暮らしを手にするための戦略を考察していきます。

前回(第15回)は、「恋人の経済力を推測する方法」について考えてきました。今回(第16回)は、結婚とシビアなお金の話について見ていきましょう。

指原莉乃さんが「結婚する相手には財産分与しない書を書かせる」と語る

先日、気になる芸能ニュースを見つけました。タレントの指原莉乃(28歳)が、11月11日に放送されたバラエティ番組「ヒロミ・指原の“恋のお世話始めました”」(ABEMA)に出演し、「結婚する相手には財産分与しない書を書かせる」と強い決意を語ったという報道です。

筆者は実際に番組を見たわけではないので、報道ベースの見解になりますが、この報道には、結婚とシビアなお金の話が凝縮されています。

まず、「財産分与」とは何でしょうか。これは離婚した際に、夫婦が共同生活を送る中で形成した財産(共有財産)を公平に分配することです。原則論にはなりますが、財産分与のポイントは以下の3つです。

(1)……共有財産を半分ずつ配分する
(2)……夫婦のどちらが財産を形成したかは関係ない
(3)……離婚の原因を作った人にも支払われる

ここで、指原さんの収入に視点を移しましょう。筆者は当然、指原さんの正確な年収を知りませんが、指原さんは芸能界屈指の人気タレントであり、Twitterフォロワー300万人超え、Instagramフォロワー100万人超え、YotuTubeチャンネル登録者数100万人超えの超人気インフルエンサーです。

ちょっとしたビジネス系インフルエンサーが月収1,000万円を平気で稼ぐ時代ですから、どんなに少なく見積もっても、年収数億円でしょう。当然、資産管理会社にプールしていると思われますが、広義の指原さんの収入としてカウントして問題ないはずです。

仮に指原さんがプー太郎君と結婚したら?

ここからは仮定の話です。仮に、指原さんが収入ゼロのプー太郎君と結婚し、3年で離婚したとしましょう。

その3年間で仮に、「指原さんは10億円稼いだ」「プー太郎君は0円稼いだ」となりますと、(2)のルールが働いて、共有財産は10億円です。つまり、財産分与の対象は10億円になり、(1)のルールが働いて、離婚時にプー太郎君は労せず、半分の5億円を手にすることができます。

仮に、離婚の原因(浮気など)が作ったのがプー太郎君だったとしても、(3)のルールが働いて、やはりプー太郎君は労せず5億円を手にすることができます。慰謝料として、多少のディスカウントはされるかもしれませんが、5億円からしたら誤差の範囲内の金額に留まるでしょう。

このように考えると、指原さんが「結婚する相手には財産分与しない書を書かせる」と語る理由が分かります。指原さんクラスの高所得者になると、結婚相手が自分(指原さん)より稼いでいないと、離婚時にたくさんのお金を支払わないといけなくなるのです。

たとえ離婚の原因が作ったのが配偶者だとしても、原則として財産分与は有効なので、指原さんからすると極めて不利な条件です。

「結婚する相手には財産分与しない書を書かせる」ということを言い換えると、「それだけ私はたくさんのお金を稼いでいるし、今後もたくさんのお金を稼ぐ自信がある」ということでもあります。

富裕層・高所得者にとって「結婚」は、実は大きなリスク

このように、財産分与を無効化する約束をしてから結婚することは、富裕層を中心に広がりつつあるようです。また、そもそも結婚のタイミングを「財産を形成した後にする」というテクニックもあります。

先日、大谷翔平選手が帰国後の記者会見で結婚について質問されて、「今のところまだまだ先じゃないかと思っています」と回答していました。大谷選手が金銭面を考えて結婚計画を練っているかは分かりませんが、富裕層・高所得者の結婚戦略としては当然の回答です。

大谷選手は2022年末に契約が切れるようです。2021年シーズンの活躍もあり、2023年シーズンからは、歴史に残る大型契約が締結される可能性が高まっています。

大型契約する前に結婚してしまうと、配偶者と離婚した際に、「その大型契約は私の内助の功があって成し得たもので、共有財産と扱うべきだ」と言われるリスクがあります。そのように言われたら、ロジカルな反論は難しいでしょう。大型契約を結んだあとに結婚したほうが利口です。

指原さんや大谷選手の本意は分かりませんが、富裕層・高所得者にとって「結婚」は、実は大きなリスクなのです。

文・元証券マンの恋愛相談所長K
編集・dメニューマネー編集部

(2021年12月26日公開記事)

お金で買えないものはない?,恋愛×マネー
(画像=dメニューマネー編集部)

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