なぜ富裕層はフェラーリなどの「高級車」や「会社」のオーナーになるのか?

2022/08/19 19:05

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富裕層はさまざまな手段を使って節税対策をしている。その一つが会社設立だ。また、フェラーリなどの高級車を所有することも節税の一つの方法だ。富裕層の節税対策を真似て、税金の負担を軽くする方法はあるのだろうか? なぜ富裕層は法人を設立するのか?──富裕層でなくても応用できる税金対策 「富裕層は法人(資産管理会社)を作って税金

富裕層はさまざまな手段を使って節税対策をしている。その一つが会社設立だ。また、フェラーリなどの高級車を所有することも節税の一つの方法だ。富裕層の節税対策を真似て、税金の負担を軽くする方法はあるのだろうか?

なぜ富裕層は法人を設立するのか?──富裕層でなくても応用できる税金対策

「富裕層は法人(資産管理会社)を作って税金対策している」ということは、何となく耳にしたことがある人も多いはずだ。しかし、その仕組みを理解している人は少ないのではないだろうか。なぜ富裕層は法人を設立するのか?「富裕層の税金対策なんて自分には関係ない……」と思われるかもしれないが、これは富裕層だけの特権ではない。

富裕層が税金対策のために法人を設立する理由

なぜ、富裕層は税金対策のために法人(資産管理会社)を設立するのか。理由はたくさんある。

個人で収入を得た場合にかかる「所得税」は、“累進課税”といって、稼げば稼ぐほど税負担が重くなる。所得税の最高税率は45%で、加えて住民税10%がかかってしまう。

一方で「法人税」は累進課税ではなく、どんなに稼いでも普通の会社は23.20%課税となる。

さらに、資本金1億円以下の中小企業の場合、800万円までの利益は15%課税で済む。

このような税率の違いから、なるべく所得を個人で受け取るのではなく、法人で受け取ったほうが、手残りが大きくなるのだ。

法人であれば、経費として損金計上できる幅が広がります。損金計上されれば、利益が減るので、税負担も減る。

法人でクルマを購入したり、役員のための社宅を借りたりできる。中小企業であれば、交際費も800万円まで損金計上できる。個人であれば最大4万円までしか控除できない生命保険料も、法人名義であれば多くの部分を損金計上することが可能だ。

業務に利用していたり、法人の売上をあげるのに必要であったりしないと経費にはできないが、できる限り法人の経費として計上することで、個人法人を合算した実質的な手残りを大きくすることが可能だ。

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なぜ富裕層は法人を設立するのか?──富裕層でなくても応用できる税金対策

なぜ富裕層はフェラーリなどの「超高級車」を所有するのか?

高級住宅地を歩いていると、豪邸のガレージにフェラーリ、ランボルギーニ、マクラーレン、アストンマーティン、ポルシェなどの1台2,000万円を超えそうなクルマたち、いわゆる“超高級車”を見かける。なぜ富裕層は超高級車を所有するのか。見栄を張りたい気持ちや、経済的余裕から単純に贅沢をしたいという気持ちもあると思うが、その他にも富裕層ならではの理由がある。

法人名義で購入することで節税になる

法人名義で購入する目的はいくつかあるが、その主な理由のひとつが「節税」だ。そのカラクリを理解するためのキーワードが「減価償却」。

富裕層の多くは会社経営者や開業医などの法人オーナーだ。豪邸のガレージに格納されているフェラーリやランボルギーニは実は個人名義ではなく、法人名義で購入されている可能性もある。

減価償却とは、クルマなどの固定資産の購入費用を使用可能期間に応じて費用計上する会計処理のことをさす。簡単に説明すると、法人名義でクルマを購入した場合、購入費用が経費扱いになり、法人の利益を押し下げ、支払う法人税が減って節税になるのだ。

経費と認められるためには毎日の通勤や顧客訪問に使うなど、事業目的のみに使用する必要がある。法人でフェラーリを買って法人税を節税しつつ、プライベートな旅行やデートに使うことはできない。

値崩れしにくい(投資目線)

実はフェラーリをはじめとした超高級車は、その希少性ゆえに値崩れしにくく、中古市場(セカンダリーマーケット)で高値で売却しやすいという特徴がある。

富裕層には費用対効果を厳しくジャッジする人が多い。必要なものにはお金を惜しまない一方、価値のないものには一銭も出さないという人もいる。それはクルマを買うときにも当てはまる。

ずっと同じクルマに乗る人は少なく、たいていは定期的に買い替えをするだろう。

例えば、高級外車の人気ブランドであるメルセデス・ベンツ、BMW、アウディなどの800万円クラスの新車を5年使用した後、中古市場で売却するとする。

このクラスのクルマは供給量も多く5年後の中古市場では大きく値下がりしてしまうことが多い。仮に売却代金が200万円だったとしよう。

一方、3,000万円で買ったフェラーリを5年使用した後、中古市場で売却するとする。フェラーリは年間の供給量が絞られているため、あまり値崩れしない。仮に2,700万円で売却できたとしよう。

前者は実質600万円(800万円-200万円)で5年間乗れたことになり、後者は実質300万円(3,000万円-2,700万円)で5年間乗れたことになる。ランニングコストを勘案しなければ、フェラーリのほうが半分の金額で済む。フェラーリに乗る精神的な満足感や、その他のメリットも加えれば、後者のほうが経済的であると判断する富裕層が多いというわけだ。

・800万円クラスの新車メルセデスを5年使用→ 売却額 200万円=実質600万円
・3,000万円の新車フェラーリを5年使用→ 売却額2,700万円=実質300万円

また、超高級車のなかには、値崩れしにくいどころか値上がりし続けている車種もある。投資目的でクルマを購入することは「クラシックカー投資」とも呼ばれており、一部のクルマ好きの富裕層の間で行われている。

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なぜ富裕層はフェラーリなどの「超高級車」を所有するのか?

文/編集・dメニューマネー編集部

(2022年6月17日公開記事)

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