投資初心者が簡単に始めやすいNISAだが、投資の知識がないとどのようなメリットがあるのか分かりづらいかもしれない。なぜ、NISAは投資初心者に向いているのか?また、実際にNISAを始めると、買ってはいけない銘柄などに遭遇することがある。どのようなことに注意してNISAを始めればよいのか?
初心者こそ「つみたてNISA」を始めるべき理由
初心者でつみたてNISAに興味があっても、「面倒そう」とためらっている人もいるだろう。しかし、少子高齢化、老後2000万円問題、低金利などから先行きが不透明な現代において、個人で将来への備をすることは欠かせない。そして初心者なら「つみたてNISA」は是非検討したいところだ。
少額で投資できる
まずつみたてNISAのいいところは100円、1000円からなど少額で投資できることだ(証券会社によります)。
通常の株式投資だと原則100株単位からの購入が必要。ある程度まとまった資金がないと投資を始めることができない。
つみたてNISAの場合は少額から始められるので、生活に無理のない範囲で長期的に資産形成を目指せる。
ただ最近では1株や10株などの単位で株が買えるサービスも誕生している。しかし、この点については次の理由から、やはり初心者には「つみたてNISA」のほうがよいと考えられる。
買いのタイミングや商品選択に迷わない
つみたてNISAの金融商品は、株式ではなく「投資信託のみ」だ。具体的には、金融庁が厳選した販売手数料無料(ノーロードといいます)で信託報酬も低い投資信託のみとなる。
通常の株式投資では、初心者はどの銘柄を買えばいいのか迷うはず。東証には1部だけで約2000社ある。2部やマザーズなどあわせれば当然もっとある。
選択肢が多いのはいいことだが、多すぎると選びきれない。
また、つみたてNISAは「毎月一定額を積み立てる」投資方法なので買いのタイミングを判断する必要がないのも特徴だ。
多くの人が気づいていない「つみたてNISA」の注意点
20〜30代の投資初心者を中心に、つみたてNISAで資産形成する人が増えている。
2021年のつみたてNISA口座開設数は305万口座で、うち86.2%が投資初心者だ(いずれも2021年9月末時点、日本証券業協会)。また、年代別の累計口座数で最も多いのは20~30代だった。
若年層に積立投資の文化が広がっているのは素晴らしいことだが、実はつみたてNISAには、多くの人が気づいていない注意点が存在する。
「S&P500を買っておけばよい」というわけではない
SNSなどで「つみたてNISAではS&P500に連動するインデックスファンドを買っておけば間違いない」という声をよく目にする。
特に、つみたてNISA初心者(投資初心者)はそう思っている風潮が強いようだ。
たしかに、S&P500はこの30年で10倍以上になっていますし、直近10年に区切っても3倍以上になっている。米国には世界最高峰の企業が集まっているし、今後も人口が増えていくので、有望な投資先だといえる。
しかし、深い考察なしに「S&P500を買っておけばよい」というわけではない。S&P500はこの30年で10倍以上になっているが、その間の推移をよく見ると、全く上がっていない期間もある。よって注意が必要だ。
リバランスがしにくい
リバランスとは、価格変動によって割合が崩れたポートフォリオを元の状態に戻すことだ。
具体的には、当初の割合よりも増えた資産を売却して、減った資産を買い足す。
なぜリバランスが重要かと言うと、「運用成果の8割以上は資産配分で決まる」と言われているためだ。
つまり、「いつ買うか」ではなく、「何をどれくらい持つか」が重要ということになる。
しかし、つみたてNISAでリバランスをしてしまうと、以下の2つのデメリットが発生しまう。
・売却することでその金額分は運用が終了してしまう
・購入することで非課税枠を消費してしまう
これらのデメリットを回避するには、「価格変動があってもつみたてNISAは基本的に売却しない」と決めて、他の通常口座でバランスを取るとよい。
NISAで買ってはいけない銘柄!投資初心者は注意
運用益に税金がかからないNISA(ニーサ)だが、実は投資に向かない銘柄がある。うっかり投資してあとから後悔することがないよう、「買ってはいけない銘柄」を避け、NISAに合う銘柄を選ぼう。
NISAで買ってはいけない銘柄「毎月分配型の投資信託」
毎月分配型の投資信託は、毎月「分配金」をもらえるのが魅力だが、そもそも分配金には税金がかからないため、NISAのメリットを活かせない。
分配金というと、株式の配当金をイメージする人が多いだろう。しかし、毎月分配型の投資信託の分配金は「元本払戻(がんぽんはらいもどし)」がほとんどだ。元本払戻とは、投資家から集めたお金を、投資家に返すことをさす。
出したお金が返ってくるだけなので、NISA口座以外で受け取っても税金がかからない。
つまり、「税金がかからない」というNISAのメリットを活かせないのだ。
受け取った分配金をもう一度投資すると、NISAの非課税枠を消費してしまう。毎年の非課税枠には上限があるため、分配金を受け取ってはまた投資する、というのは非効率だ。
一般NISAで買ってはいけない銘柄「低リスク投資信託」
債券中心の投資信託など、低リスクの投資信託では、利益が小さい分、NISAの税金に関するメリットも小さくなる。
せっかく一般NISAの非課税枠「毎年120万円×5年=600万円」を使うなら、株式や株式中心の投資信託など、ある程度の利益が見込める投資先を選びたい。
投資の利益にかかる税金は約20%です。つまり非課税でも、利益が10万円なら2万円しか得をしないが、利益が100万円なら20万円得をする。せっかく一般NISAをするなら、リスクを抑えることだけでなく、利益を出すことを目指そう。
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NISAで買ってはいけない3つの銘柄!投資初心者は注意
文/編集・dメニューマネー編集部
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