昨今、価格が高騰して人気モデルはなかなか買えなくなっているロレックスには、その名声と歴史にふさわしい様々なエピソードがある。これまでに紹介した中から4記事を振り返ってROLEXについて詳しくなっておこう。
ロレックス・デイトナが不人気だった? 17億円で落札されたのはあの有名俳優が愛したモデル
プロのカーレーサーのニーズにこたえるよう設計されたロレックスの「デイトナ」。2021年モデルは公式サイトで138万7100円からとなっている。今でこそ大人気のモデルだが、発売当初、「悪趣味なデザイン」といった理由で売れ行きが悪かった。中でも「エキゾチックダイヤル」はさらに不人気で、半額で売られることもあったという。
そんなデイトナは2017年のオークションで、1550万ドル(約17億2762万円)という、当時の腕時計オークション史上最高値で落札されている。
驚くべき価格で落札された「コスモグラフデイトナ・エキゾチックダイヤル」は、俳優の故ポール・ニューマンが愛用したモデル。1968年にニューマンがプロドライバーを演じた『レーサー』(1969年公開)の撮影中、妻のジョアン・ウッドワードから贈られたものだ。発売当時の新品価格は、250ドル前後 だった。単純計算で「49年間で価格が6.2万倍に値上がりした」ことになる。
「エキゾチックダイヤル」のベースは、1963年に発売されたコスモグラフデイトナRef.6239。二つのデイトナの大きな違いは、文字盤のデザインにある。
通常のデイトナは、シルバーの文字盤の場合は黒のサブダイヤル(文字盤内にある計機)、黒の文字盤は白のサブダイヤルが付いている。一方、エキゾチックダイヤルは、アールデコ調のデザインが特徴的だ。マットホワイトの文字盤に黒のサブダイヤル、黒の文字盤にホワイトのサブダイヤルという組み合わせに、もう一色、赤を取り入れている。ニューマンが所有していた「ニューマン・デイトナ」と呼ばれるモデルは、マットホワイトの文字盤のものだった。
ロレックス「ミルガウス」が狙い目?価格急騰が期待、霜降り・粗品さんも愛用
高級腕時計コレクターでもあるお笑いコンビ・霜降り明星の粗品さんがYouTubeで持っていることを明かしたロレックス「ミルガウス」(Milgauss)。ロレックスの中でも異色の存在感を放つミルガウスの第三世代Ref.116400は、今後、価格が急騰する可能性を秘めたモデルとして注目されている。
フランス語で「Mille (1000)」を意味するその名の通り、ミルガスの特徴は最大1000ガウス(8万A/m)という超磁気耐性だ。
初代が発売された1954年当時、発電所や医療施設、研究所など磁器の強い現場で働いていた人々は、「磁気が原因で腕時計がすぐに壊れる」という悩みを抱えていた。磁気耐性がある腕時計は50~100ガウスが限界だった時代、ミルガウスの強力な耐久性は腕時計の革命として賞賛を浴びた。ロレックスにとっては、磁気耐性というコンセプトを自社の商品に取り入れた初の試みでもあった。
しかし、当時は耐磁気腕時計の需要が限定されていたこと、また同時期にサブマリーナーやGMTマスター、エクスプローラー、デイデイトなどの人気モデルが続々と発売されたことで、ミルガウスは長年にわたり「二番手」の位置付けに甘んじることとなった。
イナズマ針を採用した個性的な文字盤のデザインも、万人向けしない理由の一つだった。1970年代にはデザインを一新した第二世代(Ref .1019)を発表するが需要は伸びず、1988年には一時生産中止となった。
40万円以下で買えるロレックス「エアキング5500」が「隠れた名作」といわれる理由
デイトナやサブマリーナといったロレックスを代表する人気モデルと比べると、地味な存在のエアキング(Air King)。しかし、コレクター間では「ロレックスの隠れた名作」として評価が高く、手堅い資産価値の上昇が期待できる。
ロレックスのドレスウォッチシリーズであるエアキングは、現在も生産されているロレックスの中で最も歴史の長いモデルの一つだ。初期は優雅さがテーマだったデザインはモデルチェンジと共に大きく様変わりし、今ではカジュアル前面に押し出したものになっている。
低価格ラインとはいえ、中~高級ラインのモデルに引けを取らない高品質さは、ロレックスの象徴ともいえる。
初代発売は1945年。創設者であるハンス・ウィルスドルフ氏が、戦時中にオイスターウォッチを着用していたイギリス空軍パイロットに敬意を表わして、オイスター・エア・ウォッチシリーズを発売した。
ロレックスは企業ではない?セキュリティは刑務所以上?ROLEXの意外なトリビア6選
世界有数の高級腕時計ブランドとして名高いロレックス。創業116年という長い歴史の中には、世間にあまり知られていない意外なエピソードがいくつかある。トレードマークのクラウン(王冠)に隠された、6つのエピソードを見てみよう。
1 ロレックスは企業ではない?
2 自社で金を製造している世界唯一の時計メーカー
3 重警備の刑務所より高度なセキュリティーレベル
4 スイスに移転した目的は租税回避だった?
5 「幻のシースルーケースバッグ」が存在する
6 第二次世界大戦で名声がさらに高まった
編集・dメニューマネー編集部
(2021年8月9日公開記事)
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