「小遣いは稼ぐモノ」米国在住20年の筆者が見た、アメリカのお金の教育2つの特徴【特集・親子で考える「お金」】

2022/08/15 11:45

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「欧米はお金の教育が進んでいる」と思っている人は多いでしょうが、在米20年の筆者の印象では、アメリカのお金の教育は「進んでいる」というより特徴的です。その特徴は「お金はもらうものではなく稼ぐもの」であり、「お金の話はオープンにする」というものです。これはお金に限らない、アメリカらしさと言えるかもしれません。 【特集・親

「欧米はお金の教育が進んでいる」と思っている人は多いでしょうが、在米20年の筆者の印象では、アメリカのお金の教育は「進んでいる」というより特徴的です。その特徴は「お金はもらうものではなく稼ぐもの」であり、「お金の話はオープンにする」というものです。これはお金に限らない、アメリカらしさと言えるかもしれません。

【特集・親子で考える「お金」
・1 なぜ「うんこお金ドリル」が生まれたのか?金融庁インタビュー
・2 イギリスでは小学生にお金をこう教えている 在住ライターレポート
・3 人気FPコンビが伝授!子供が身につけるべき「お金の考え方」
・4 米国在住20年の筆者が見た、アメリカのお金の教育2つの特徴」
・5 フェラーリ、ディズニー株をプレゼント?「お金持ちの金融教育」

特徴1「お金はもらうものではなく稼ぐもの」

アメリカでは子供の小遣いは、毎月一定額を渡すというより、お手伝いの報酬として渡す家庭が多く(2021年調査で59%)、子供達もお金が欲しければ、積極的に「稼ごう」とする傾向があるように感じます。

例えばレモネード売り。衛生面や児童労働の問題などから法規制している州も多く、以前ほどは見かけなくなりましたが、今なお根強いお金集めの手段です。アメリカでは、多くの子供が一度は経験しているように思います。

筆者も何度かチャリティイベントでレモネード売りを経験しましたが、アメリカ人の友人達はとても慣れていて売り上手なことに驚きました。

レモネード売り以外なら、芝刈り。特に近所の高校生の男の子達は、自宅周辺の家を訪れて積極的に売り込みます。目的は様々で、「車が欲しい」「大学の費用」などですが、その心意気に大人は喜んで応援します。

特徴2「お金の話はオープンにする」

筆者の印象では、家計についてオープンに子供に話す親が多いように思います。

過去に8年ほど州立大学で働き、様々な家庭環境の大学生と話しましたが、多くの親が、「大学の学費どうするか」と子供にも自分の将来の経済的責任を考えさせていました。

ある調査では、81%の家庭が8~14歳の子供と大学の学費について話あっていると答えています(前出の調査)。

大学の学費は年々上がり、アメリカ家庭の悩みとなっています。親は、家のローンがどれだけあって、自分たちの老後資金も貯めなくてはならないなどはっきり子供に家計状況を話します。

その上で、どれだけ親が負担できるか、奨学金を狙うのか、働きながら通うのか、学生ローンを組む必要があるか──などを具体的に相談するようです。

高校でパーソナルファイナンスが必須の州は半数以下

アメリカでもここ数年、金銭教育に力を入れ始めているようですが、それでも高校でパーソナルファイナンスを必須科目としているのは、50州のうち半分に満たない23州です(2022年時点、世界最大の教員向け経済教育団体であるCEE調べ)。

その内容も地域や学校のレベルによって大きく違ようで、子供の金融リテラシーは親や環境の影響が強く、恵まれた環境にいる子のほうが有利のようです。

データでも分かるように、米国も学校レベルではお金の教育が進んでいるということはなさそうです。

筆者としてはむしろ、お金の計算や入出金管理などに関しては日本の子供のほうがしっかりできるように思います。

ただ、積極性とオープンであることを重視したお金の教育が、投資や起業に興味をもつきっかけとなっていることは間違いなさそうです。

文・美紀ブライト(米国在住のフリーライター)
編集・dメニューマネー編集部
画像・Pixel-Shot / stock.adobe.com(画像はイメージです)

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・2 イギリスでは小学生にお金をこう教えている 在住ライターレポート
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