アメリカ・メジャーリーグ、エンゼルスの大谷翔平選手が11月19日、アメリカンリーグの最優秀選手賞(MVP)に選出された。大谷選手はMLBネットワークの番組に出演し、受賞の喜びを述べた。日本選手の選出は2001年のイチロー選手(マリナーズ)以来、20年ぶり。MVPは記者投票(30人)で選ばれるが、全員が1位票を投じたという快挙。
大谷選手は大リーグ4年目。ピッチャーとして9勝、156奪三振をあげたほか、バッターとしてホームラン46本、100打点、26盗塁で、史上6人目の「ホームラン45本、25盗塁」を達成。オールスター(7月)には史上初となる投打で同時出場している。歴史的な偉業を成し遂げたとしてコミッショナー特別表彰を受けていた。
最近の大谷選手をめぐる報道や、過去にdメニューマネーで取り上げた記事を振り返ってみよう。
年俸3億円!MLB大谷翔平選手の「時給」はいくら?【二刀流】
まずシーズン序盤、5月末に掲載したのは、「大谷選手の時給はいくらなのか」という、ちょっと無謀な試算記事だ。
大谷選手はエンゼルスと今年2月に、2年850万ドルの契約を結んだと報じられた。内訳は21年が300万ドル(3.24億円)、22年が550万ドルだ。
そのエンゼルスが47試合を終えた時点で大谷選手は46試合に出場していた。MLBでプレーオフを含まないレギュラーシーズンの試合数は162試合。大谷選手は打者としても出場しているため、47試合消化した段階で46試合出ているので、今シーズンは162試合で159試合に出ると仮定。
年俸を試合数で割ると、1試合あたり204万円ということになる。仮に準備やウォーミングアップ、クールダウンを含めて1試合を5時間とすると1時間あたり41万円の計算になった(実際には、大谷選手は今シーズン打者として155試合出場だったため、1試合あたりの給与はこの時の想定と若干異なる)。
歴代日本人メジャーリーガー年俸ランキング
次の記事は大谷選手が6月29日、ニューヨーク・ヤンキース戦に2番・指名打者で出場、2打席連続本塁打を放ってメジャー単独トップに立った時に振り返ったもの。歴代日本人メジャーリーガーの年俸と比較している。「2021年最高の契約」の一人に大谷選手の名が挙げられ、「2021年の年俸の10倍の価値があるだろう」と評価されているが、果たして1位なのだろうか?
日本人メジャーリーガーに絞って見てみると、歴代最高年俸ランキングは次のようになっている(ベースボールチャンネルより、2019年までのデータ)。
1位 ダルビッシュ有:2,500万ドル(約28億円)
2位 田中将大:2,200万ドル(約24億円)
3位 イチロー:1,800万ドル(約20億円)
4位 黒田博樹:1,600万ドル(約18億円)
5位 福留孝介:1,450万ドル(約16億円)
堂々の1位は、2011年オフにテキサス・レンジャーズと6年契約を結んだダルビッシュ選手。1年目の2012年には新人王投票で3位に入り、翌年には防御率2.83をマークして最多奪三振のタイトルを受賞するなどの活躍をみせていた。
大谷選手がMVP最有力、賞金はいくらもらえる?
最後はシーズン終盤、大谷選手のMVP獲得の期待が高まってから検証した記事だ。もしMVPを獲得したら一体どれくらいの賞金をもらえるのか、という内容だ。
MLB公式サイトが9月に発表したMVP予想では、専門家の投票によりア・リーグのトップは大谷選手「56票」となり、続くゲレーロJr.選手「15票」との差を大きく離していた。
メジャーリーグという華やかな世界だけに、大谷選手がMVPを獲得したらとんでもない額の賞金がもらえるでは、と思うかもしれないが、賞金額はなんと0円だ。
タイトル獲得自体で賞金はもらえないが、メジャーリーグでは「契約金+出来高制」で球団と契約し、タイトル獲得などに合わせて各球団がボーナスとして支払うケースが一般的なようだ。MVPなどのタイトル獲得でいくら支払うという契約を結んでいれば、ボーナスをもらえることになる。
暗号資産取引所と長期契約
大谷選手といえば最近、暗号資産(仮想通貨)取引所を運営する米FTXと長期契約を結んだと報じられている。世界規模で担う広報役「グローバル・アンバサダー」に就任するという。
同社は評価額が3兆円に迫るほどの企業で、フォーブスによると、創業者氏の個人資産も3兆円という(20代で3兆円を超えるのはフェイスブック=現メタ=創業者マーク・ザッカーバーグ氏以来とのこと)。これまでに、NFLのトム・ブレイディ(バッカニアーズ。スーパーボウルMVP5回)、NBAのたステフィン・カリー(ウォリアーズ)両選手らと契約している。
報酬などは明らかにされていないが、暗号資産や株式で受け取ると報じられている。
来季以降の年棒はどうなる?
大谷選手の年棒については、2年850万ドルと報じられているが、これはルーキー外国人選手を対象とするMLBの規定によるものだという。
しかし、2022年オフには制限なしの年俸調停権、2023年のシーズンオフにFA権を取得するため、エンゼルスが大谷選手を引き止めるためには「2022年オフに再契約をする必要がある」と報じられている。すでに他球団で大谷選手を獲得しようという動きがあり、2023年を待たずに大谷選手の争奪戦は始まっている。
(2021年11月19日公開記事)
編集・dメニューマネー編集部
画像・SergeyBitos / stock.adobe.com
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